コラム

令和三年 穀雨

  • ことのは便り

元々菊川の事務所の上に住んでいた私は、大手町に事務所のみを移した後、次は住まいのみの引越しをすべく、近くの小さな家を改修しています。

どのくらい小さいかというと、間口が2.7m(襖3枚分)、奥行が8mちょっと(成人の11~12歩程度)。今の住まいもそう広くはないのですが、次はここの半分以下。というわけで、持ち込む家財を減らすため、目下断捨離中です。

昔から引越しが大好きで、しょっちゅう引越しをしていたおかげで、荷物は普通の人より少ない方だったはずなんですが、今の家には7年も住んだためかいつのまにか結構荷物が増えてしまっていました。

荷物の処分を始めてわかった自分の癖は、いわゆる生活必需品といわれるものやあると便利なものたちは躊躇なく処分できるのに、用途のない品ばかり残してしまうということ。使い道はないけれど、記憶を思い出させる装置になっているモノばかりを新居行きの段ボールに詰めてしまっています。最近自分の記憶力が低下している自覚があるからこそ、たまにモノの力を借りて思い出したいことがあるような気がして。

炊飯器や電子レンジは元々持っていないし、今度の家ではテレビとリビングのエアコンもなくすつもりなのに(冷蔵庫すらなくていいかもと思っている)、私にしか価値のないような紙切れや不思議な造形物ばかりに囲まれた生活になりそうです。